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第54回 日本病院・地域精神医学会 沖縄総会

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第54回日本病院・地域精神医学会総会について

『出会い、支えあい、結びあう 〜ゆいまーるの島から〜』


総会会長: 知念 襄二(福の木診療所 院長)

  第54回日本・病院地域精神医学会総会が沖縄で開催されることになりました。前回の1999年以来、12年ぶりのことです。今世紀に入って、精神医療・保健・福祉の流れも変わりつつあるように思います。国連の障害者権利条約を見据え、「施設から地域へ」、当事者本人の思いと尊厳にかなった支援が、時の声に見えます。全国各地で多様な無数の努力が積み重ねられていると思います。
  顧みると、沖縄は戦前には精神医療施策も施設も皆無でした。何も無いところに私宅監置の明治法制が導入され、大正期の精神病院法は実を結ばずに無縁でした。戦後、荒廃と米軍支配下で、志しある人たちによって病舎作りが始められました。琉球精神衛生法は日本本土から10年遅れて、1960年に成立。高度成長期の本土では既に精神病者の大収容が始まりましたが、沖縄は遅々とし、法はあっても受け皿は乏しく、社会的放置と私宅監置が続き、医師不足は1964年に始まる本土からの派遣医制度でカバーされました。1972年本土復帰後、国民皆保険制度を始め日本の諸制度が導入され、沖縄も一周遅れで精神病者の大収容に向かいました。
  それは一方で日本近代の構造がここ南島において集約、完成されていったということでもありますが、沖縄の歴史的、文化的ありようを織り込んでいく本土化の過程であり、他の領域でと同様に、「同化と異化」を内在させていたと思います。欧米に比した日本の、日本に比した沖縄の収容史の落差。そこにこれからの日本の精神医療の変革に、何事かの視点を提示しうる根拠がはらまれているかもしれません。これから変えていくこと、変わることを強いられていることに何を織り込んでいくのか、日本南端の地で考えたいと思います。
  グローバルな共食いの経済社会過程が、巨大な規模から悲しい程に極小なものまで、全世界・全社会に徹底されようとしています。不運、不幸、孤立、孤独が食い物にされるのではなく、共に支えあい、結びあうことが可能か、そのための出会いの仕組みをしっかり作り上げていけるか。
  私達の沖縄に多様な経験が寄せられ、病院や地域の多職種、多くの人々が連携した支援の努力が交換され、更に一歩踏み出す転機となることを願います。夢は大きく、歩みは着実かつ大胆に。
  私達の住む沖縄は、海に囲まれた南国の島です。古くから、人・文化・物財の交流の中継点であり、もてなしの心は、芸能を磨き、独自の文化を育ててきました。また、人の温かさとともにゆるしの風土を作り上げ、今や癒しの島とまでいわれる事もあります。
  3月11日に東北地方で未曾有の大震災が発生しました。一瞬のうちに多くの命が失われ、生き延びた人々にもなお苦難が続いています。懸命の努力の中でも、犠牲は増えると思われ、再生の努力の困難はいかばかりかと暗澹たる思いです。そんな状況下で本大会に課せられた重荷を自覚しながら、当地での準備を進めてまいります。微力ながら沖縄からも直接の支援活動がなされ、全国の方々と力を寄せ合わせています。本大会が「出会い、支えあい、結びあうゆいまーるの場となることを願います。




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